安い輸入米への切り替えも進む
令和のコメ騒動をうけ、安いベトナム米や台湾米の輸入が始まった。
まだ記憶に新しい1993年のコメ騒動では、タイ米が輸入された。
稲作は日本の誇り
「稲は収量が多く、しかも連作ができます。加えて水田は有機物を適度に蓄え、
余分な成分を海に放出します。稲作という農業は素晴らしいし、日本の誇りです」
(林亮平氏)なのに政府は田んぼをつぶし、畑に変えることを奨励している。
安ければいいわけではない
国産米は安い輸入米に対抗できるのか
食糧管理法(食管法)が廃止されて今年で30年。
食管法の時代(1942年〜1995年)、政府がすべてのコメを買い上げ、
生産者米価と流通米価を政府が決めていた。食管法を廃止し、食糧法が
導入された。生産者米価は自由だとしながら、政府として米価の維持に
つとめようとしている。
黒龍江省産のオーガニック米が入ってきたら「国産だけがウリの
国産米は歯が立たない」
コメ農家を強くしなければいけない
片山氏が農林水産大臣だったらどんな政策を打つか。
「僕だったら米価の価格調整をせず、5年から10年かけてコメ農家を
強くする政策に予算を投じます」(片山真一氏)
ある意味、長年コメ農家は農協の小作農だった。肥料も農機具も
すべて後払い。先に年貢を納めたも同然だった。小作農をやめ、
自分のコメを自分で売る農家が増えてきたことで、農協の集荷率が低下。
そういう構造ができてきたことで、長年低迷していた米価が高騰した
と片山氏は分析する。
コメ農家が自ら米価を設定できる未来
削減が続く農業水産関係予算
だが、実際のところ、農林水産大臣には農業水産関係予算を
決める権限がない。財務省主導で決定される。「そこに財務省と、
財務当局の高い壁があります」と鈴木宣弘氏は指摘する。
50年前の昭和50年(1975年)度の農業水産関係予算は2兆1,768億円。
令和6 年(2024 年)度は2兆2,686億円、令和7年(2025 年)度は2兆2,706億円。
過去十数年間ほぼ横ばい。
「財務省はアメリカの要求で武器を買う予算を捻出しますが、農業予算を
切る方針です」(鈴木宣弘氏)
継続的にコメを栽培できるように政府が赤字を補填すべきです
米価が高騰してもコメ農家は「時給10円」
関税は世界一率の訳がない。保護すべきものは国として保護しないといけない。