「中国のリーダー(習近平主席)から、石破首相によろしく伝えてほしいとのことだった。
(石破)首相が(昨年10月に)就任して以来、中日両国は双方の関係改善の道を再開させた。
習近平主席が同首相先生(石破首相)とリマ(昨年11月のペルーAPEC)で会談し、
中日の戦略的互恵関係を全面的に推進させていくことに揃って同意し、中日関係発展の
方向を示し、動力を注入した。
中日はともに、(世界に)重要な影響を与える国であり、手を携えてアジアのよりよい
未来を切り開いていくことは、双方の共同の使命だ。変乱曲折の国際情勢と、
とめどない全世界の挑戦に直面し、双方は理性的に相互信頼と協力強化を増進し、
世界に向けてさらに多くの安定性と確実性を提供していくべきだ。
日本は、中日共同声明など『4つの政治文書』(1972年の日中共同声明、
1978年の日中平和友好条約、1998年の日中共同宣言、2008年の日中共同声明)が
確定させた原則を堅持し、両国関係の政治と法律の基礎をうまく維持、保護し、
歴史と台湾問題で出された重要な政治的承諾を切実に履行していかねばならない。
今年は、中国人民抗日戦争勝利80周年だ。この重要な節目に、日本が歴史と
国民と未来に責任を持つ態度を取り、賢明な選択を取り、世界に向けて正しい
信号を発していくことを望む」
日本外務省の発表によれば、岩屋外相は王外相に、次の7つの要求を突きつけている
(番号は筆者)。
1 岩屋大臣から、日本産水産物の輸入規制の撤廃を早期に実現するよう求めました。
2 岩屋大臣から、尖閣諸島を巡る情勢を含む東シナ海情勢や、中国軍の活動の
活発化等につき、深刻な懸念を伝え、中国側の対応を求めました。
3 岩屋大臣から、与那国島南方の我が国EEZに設置されたブイの即時撤去を改めて求めました。
4 岩屋大臣から、台湾について、軍事情勢を含む動向を注視している旨伝えつつ、
台湾海峡の平和と安定が我が国を含む国際社会にとって極めて重要である旨
改めて強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促し、力又は威圧による
あらゆる一方的な現状変更の試みへの反対を表明しました。
5 南シナ海、新疆ウイグル自治区、香港等の状況に対する深刻な懸念を改めて伝達しました。
6 岩屋大臣から、邦人拘束事案や「反スパイ法」の不透明性が日本人の中国への
渡航や日本企業の中国でのビジネスを委縮させている点を指摘した上で、拘束されている
邦人の早期釈放を求めました。
7 日本人の安心・安全の確保について引き続き適切な対応を行うよう求めました。
一方、中国外交部は、日中経済ハイレベル対話で、20項目の重要な共通認識に至ったと発表した。
1 グリーン発展協力の強化
2 生態環境協力の強化
3 2027年の国際園芸博覧会(横浜)への中国の参加を日本が歓迎
4 高齢者サービス、ケアなどの分野での実務協力強化と、「銀発経済」トレーニング
5 第三国市場での協力推進
6 第8回中国国際輸入博覧会(11月・上海)への日本の支持と、2025年大阪・
関西万博への中国の支持
7 サービス貿易協力を加速させ、今年日本で中日サービス貿易政策対話を挙行
8 今年、中日工業副部長(副大臣)級交渉の挙行と定期化
9 中日の食品安全協力についての部長(大臣)級対話開催を奨励
10 サプライチェーン協力の強化と、中日輸出規制対話及び官民交流活動の継続
11 中日のビジネス環境の最適化に関する作業部会会議を今年日本で開催
12 中日の知的財産権作業部会を含む知的財産権保護協力の強化
13 中国政府部門と中国日本商会の対話を開催
14 日本政府部門と在日中国企業協会の対話実施の検討
15 WTOの枠組み内での協力強化とWTO改革の推進
16 「昆明・モントリオール生物多様性枠組」(2022年採択)の共同推進実施
17 中日海洋ゴミ協力専門家対話プラットフォーム会議の開催
18 中国が主催する2026年APEC(アジア太平洋経済協力会議)と日本が
主催申請している2031年APECへの支持
19 第7回中日海運政策論壇の6年ぶり開催への評価と、海事分野での協力強化
20 福島の核汚染水の海洋排出問題と日本の水産品の中国への輸出問題に関して、
中国は日本が一方的に海洋放出を行っていることに対して反対する立場に変わりはない。
双方は昨年9月20日に発表した共通認識を再度完備し、全面的に理解し、結果に
異状がないという前提のもとで、日本の水産品の中国への輸出問題についての関連の交渉を行う。
このように、20項目も並べ立てているが、日本が最も強く要求している日本産水産物の
輸入再開については、20番目にあるように、結果として昨年9月から何の進展もなかった。
注)日本はアメリカの属国でもなく、中国の属国でもない。
主権国家として日本政府は毅然とした態度で、中国と対峙してほしい。